健康と施術の情報
足は第二の脳・心臓 2 足の大切さ
足は第2の脳
足と脳は密接な関係で結ばれています。直立二足歩行となった人間は同時に脳も加速的に発達させました。脳細胞を活発に働かせるためには十分な酸素が必要です。足をよく使うことは全身の血液循環も活発になる事から脳血流もよくなり脳細胞が活性化します。 また足には感覚を脳に伝える受容器(センサー)が豊富に存在します。運動やバランス感覚などの運動神経系は足をよく使うことでより活性化されるのはもちろんですが、足をよく使う人や運動習慣のある人は海馬(脳の記憶装置)が活性化したりドーパミンやセロトニンなどの脳内幸福ホルモンの分泌が良くなる事も最近の脳科学で分かってきました。
足の裏には感覚受容器(メカノレセプター)が多く存在していて、例えばバランス感覚などは立っている時に、体重がどこにどうかかっているかを検知しその情報を脳に送り、脳は目や耳にある三半規管から入ってきた刺激とメカノレセプターからの情報とを統合して「今、体が真っ直ぐになっている」とか「体の重心がずれている」などを判断して、体が真っ直ぐに位置するように(あるいは転倒しないように)、体の各筋肉に司令を出し立位時のバランスを維持します。足は第二の脳とは、足にはこのように重要な感覚受容器(メカノレセプター)が多数あり、またこのメカノレセプターからの情報を大脳皮質感覚野で瞬時かつ精妙な解析で処理し、それに対応する動き(動作)を大脳や小脳が連携しながら瞬時かつ適切に筋肉に命令して姿勢維持、バランス、動きのコントロールをオートマチックに行っているのです。
足は第2の心臓
歩くことで、心臓・肺は新鮮な血液と酸素を体の隅々に活発におくりこみ、毛細血管にまで行き渡らせます。全身の筋肉の2/3は下半身に集まっていますので、歩くことで下半身の筋肉の収縮が活性化し血液を全身に行き渡らせるポンプ機能も高まるので全身の血液循環も良くなります。この様に足を使う事は心臓のポンプの役目にもなる事から足は第2の心臓とも言われます。
特集:足は第二の脳・心臓 1 足の変形が引き起こす負の身体連鎖
足は身体を支える土台
足は体を支える土台になる部分で家に例えるなら地盤の基礎となる部分です。基礎がしっかりとしていなければ家が傾くのと同じで足の機能がしっかりしていなければ体が傾きます。
足の変形
足の変形を大別すると、足が内側に変形する内反変形と外側に変形する外反変形があります。
(内反変形)
身体連鎖とは
人間の体は身体連鎖(運動連鎖)といって、1つの関節の動きや異常が連なる関節に次々と波及し影響を及ぼします。多関節のリンクからなる身体において、ある関節の動きが隣接する関節の動きに影響を与えて全身に波及して行くのです。
足の変形と負の身体連鎖
足部と身体も連鎖しています。足部からの異常が隣接する膝関節→股関節→骨盤→背骨→脳へ影響を及ぼし全身へと負の身体連鎖を波及させて行きます。
足部内反変形からの身体連鎖
足部内反変形になると、内反した方の足の膝はO脚傾向に、肩は下がり、骨盤は上がる身体連鎖を生じてきます。
足部外反変形からの身体連鎖
外反変形になると膝はX脚傾向で足の変形が長期化するとこの様な身体連鎖がさらに増大、増悪し複雑な身体の歪みを生じさせていきます。
足の変形から骨盤・背骨への身体連鎖と姿勢との関連性
脳頭骸骨矯正治療
頭骸骨調整の重要性と症例 |
頭蓋骨も背骨や骨盤と同様に歪むことがあります。
頭蓋骨は一つの大きな骨ではなく15種類23個の骨が集まり形成されていますが、これらの骨をつなげている「縫合」(ヒビが入っている様に見える所)と呼ばれている部分がつながり合い一つの骨として形作されています。
脳頭蓋・顔面頭蓋の構成
脳頭蓋 |
顔面頭蓋 |
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前頭骨 「おでこ」の骨 側頭骨 耳周辺領域の骨 後頭骨 後頭部~頭蓋底をなす骨 蝶形骨 頭蓋底中央部の骨 頭頂骨 頭の天井部の骨、4つの縫合で結合 篩骨 鼻腔の上半部をなす骨 |
1個 1対2個 1個 1個 1対2個 1個 |
下鼻甲介 鼻腔外側部の骨 涙骨 眼窩内側部前部の骨 鼻骨 骨性鼻腔の鼻背の骨 鋤骨 骨性鼻中隔の後部を構成する骨 上顎骨 眼窩下面~口腔上面をなす骨 口蓋骨 口腔・鼻腔の後部の骨 頬骨 眼窩外側~頬部をなす骨 下顎骨 顎関節で連絡する下あごの骨 舌骨 頬部を離れて位置する |
1対2個 1対2個 1対2個 1個 1対2個 1対2個 1対2個 1個 1個 |
実際は「頭蓋骨が歪む」ではなく、骨同士を繋げている「縫合」の部分がずれていたり、正常の位置になかったりすると「頭蓋骨を構成する骨同士が歪む」のです。その縫合のわずか数mmの歪みが顔、頭皮、顎周りの筋肉への血流を悪くして頭痛、肩こり、眼精疲労、眼のクマやしわ、顔のむくみ、顎関節症、歯痛、歯ぎしり、不眠、自律神経失調症など様々な症状、また脳機能低下などの原因となることもあります。
open→ 脳頭骸骨縫合.pdf (0.43MB)
「頭蓋骨」の重要な働きに、心臓などと同じくリズムを取りながら微かに動き、「仙骨」というお尻部分の骨と一定のリズムで連動する動作を繰り返し、脳と脊髄の周りを満たしている『脳脊髄液』の循環を促しています。
脳脊髄液の一番おおきな役割は脳と脊髄を保護することで、ほかにも脳と脊髄の周りを循環することで老廃物を排泄する役割や、神経の栄養素を運ぶ働きもあります。
脳脊髄液は脳内で血液を濾過して作られる無色透明な液体で1分間に6~12回のリズムで生成と吸収を繰り返し、このリズムに合わせて頭蓋骨も動いています。微少な動きなためその動きを自身で感じ取ることはできませんが、脳脊髄液を流し代謝を正常に行うための大切な働きをしています。
脳脊髄液の通り道は非常に狭いため、「頭蓋骨」や仙骨にズレが生じたり、「頭蓋骨」の動きが止まると脳脊髄液の流れが滞ったり、頭部に脳脊髄液が溜まると脳が圧迫され頭痛が発生しやすくなり、悪化すると水頭症を引き起こし、嘔吐、視力低下などの症状が現れたりします。他にも自律神経の働きに悪影響を与え頭痛や不眠、動悸や息切れ、低体温やしびれといった不定愁訴や自律神経失調症が現れたり、治癒力、免疫力の低下、脳神経細胞の障害、耳鳴り、ホルモンバランスの悪化、脳脊髄液が正常に流れないと老廃物が蓄積することによる脳、全身の機能低下などにもつながります。
頭蓋骨調整により頭蓋骨を構成する骨同士の歪みをとることは、上記の様々な症状の改善や病疾患の治癒、脳脊髄液の正常な流れを維持し脳のリズムを整え、脳が呼吸できる状態を保つことで脳および全身の健康を維持するうえで大変重要なことなのです。
転倒による下顎強打による挫傷
顎関節矯正治療、顔面骨矯正治療、頭蓋骨矯正治療
転倒により下顎を強打し3針縫合
閉眼片脚立ちテスト
左脚は正常にできるが、右脚は3秒ほどしか閉眼片脚立ちができない。
左下顎を強打したことで左顎関節、左下顎骨、左頭蓋骨が歪み、左脳側頭部の前庭神経に機能低下を起こしているものと考える。
*左脳は右半身の神経支配をしているので右脚での閉眼片脚立ちが平衡感覚機能が低下し困難となっていると考察
顎関節矯正
顔面骨矯正治療
頭骸骨矯正治療
治療後は左右共に閉眼片脚立ちテスト30秒以上に回復。