Health and self-therapy information

2025-12-09 18:14:00

asa Health Information 12月号② 「頭寒足熱健康法」

🌑 古来の「頭寒足熱」が良い理由と根拠


頭寒足熱(ずかんそくねつ) とは
「頭は涼しく、足は温かく」という健康の基本原則です。

 

東洋医学では「頭寒足熱」はなぜ重要なのか?

 

■ 東洋医学の考え方

① 「気は上に昇り、血は下に流れる」

頭 → 陽の気(上に上がり、熱を持つ)

足 → 陰の気(冷えやすく滞りやすい)

とされ、

上の過剰な陽(のぼせ)を抑え

下の陰(冷え)を補う

このために「頭寒足熱」が推奨されてきました。

 

「気は上に昇り、血は下に流れる」

気(エネルギー)は:

上に昇りやすい

熱を帯びやすい

足は「陰(冷え)」の溜まりやすい場所とされ、足が冷えると気が上に昇りすぎてしまい、

のぼせ

イライラ

頭痛

不眠

などを引き起こす、と考えます。

 ② 「腎(下半身)を温め、心(上半身)を静める」

東洋医学では、

足腰=腎のエネルギー

頭胸=心のエネルギー

とされます。

腎(下半身)が冷えると生命力が落ち、

心(上半身)が興奮して不眠やストレスにつながる。

→ 足を温め、頭を冷やすことで 心腎バランスが整います。

 

 ③ 気血の巡りを良くする陰陽調和

頭(陽)は熱を帯びやすい

足(陰)は冷えやすい

陰陽のバランスをとるために、

頭は冷やしすぎず、足は温めすぎず、適度に整える

というのが頭寒足熱の原則です。

 

 

■ 現代医学的な理由

① 脳は熱に弱い → 頭を冷やすと安定する

脳は温度に非常に敏感で、0.2℃上がるだけでも自律神経が興奮しやすくなります。

脳は36℃前後で最も働きます。

過度に熱がこもると集中力低下・のぼせ・頭痛の原因になり頭をほんの少し冷やすと、

交感神経(緊張)が静まり

集中力が上がり

ストレス反応が減り

入眠しやすくなる


という効果が起こります。

脳は適度に涼しい方が自律神経が安定するからです。

 


② 足を温める → 全身の血流量が上がる

足が温まると、末梢血管が拡張し全身の血流が良くなります。

足の血管は体の中でも太く、温めると

下半身の血流が増える

心臓に帰る血液量が増える

全身の体温が上がりやすくなる

→ 結果として深部体温が自然に下がり、 副交感神経(リラックス)を優位にします。

 


③ 自律神経バランスが整う

足温め → 副交感神経UP(リラックス)

頭涼しく → 交感神経の過剰興奮DOWN

よって

精神的にも肉体的にも安定しやすくなります。

 

 

🔵 足の冷えによる身体反応はなぜ起こる?

🔹足が冷えると眠りが浅くなるのは

▶ 深部体温が下がらないから

人は眠るとき「深部体温(身体の中心部の温度)を下げる」ことで眠りに入ります。

そのためには

手足の末端の血流が開き、熱を放散することが必要です。

しかし冬の冷えで足が冷えると…

末梢血管がキュッと縮む

血流が悪くなる

熱が逃げず、深部体温が下がらない

→ 眠りのスイッチが入らず、浅い眠りになる

 

特に足冷えは「なかなか寝付けない」「夜中に目が覚める」につながります。

 

🔹足が冷えるとオシッコが近くなるのは

▶ 冷えによる「冷性利尿」が起こるから

身体が冷えると、体温を守るために

皮膚の血管を収縮

血液を体の中心に集める

これにより

腎臓へ送られる血液(腎血流)が一時的に増える

→ 腎臓が “余分な水分を出そう” と尿を多く作る。

これが「冷性利尿(れいせいりにょう)」。

つまり: 足が冷える
→ 身体が危機を感じて中心部に血液を集める
→ 腎臓の仕事量が上がる
→ 尿が多くなり、トイレが近くなる

 

 

🔹足が冷えると全身の冷えを強く感じるのは

 

▶ 足は「体温保持の最大の要所」だから

足は

皮下脂肪が少ない

末梢血管が細く冷えやすい

心臓からもっとも遠い

このため、身体の中で最も冷えやすい部位。

足が冷えると…

血流が停滞

自律神経が“寒さストレス”を感じる

交感神経が緊張

さらに血管が収縮し、全身も冷える

→ 足の冷えが 全身の冷え感に変わる。

 

 

✅ まとめてみると

眠りが浅くなる:足が冷え → 血管収縮 → 深部体温が下がらず眠りスイッチが入らない
尿が近くなる:冷性利尿→体温を守るため腎血流が増え尿が作られる
全身が冷える:足の血流低下 → 自律神経が緊張 → さらに全身が冷える


「頭寒足熱」
◎脳を涼しく保つ
◎足の血流を良くして深部体温を調整
◎自律神経を整える
という現代の生理学にも合致した健康法です。

 

 

🟣 実践:『頭寒足熱』法


✅ 呼吸によって頭寒足熱を作る

鼻呼吸は、自然に「頭寒足熱の状態」を作りやすい方法です。

 

🔹なぜ鼻呼吸で頭が涼しくなるのか

 

▶ 鼻腔内には 冷却作用と加湿作用があります。
① 鼻呼吸は空気を冷やす → その空気が脳のすぐ下の嗅球・前頭葉をクールダウン

② 副鼻腔の空間が冷却の役割を持つ

③ 口呼吸より脳の過覚醒を抑える

つまり鼻呼吸をすると、脳の温度が上がりにくいのです。

関連リンク:https://mountain-top.jugem.jp/?eid=727 鼻呼吸が大切なわけ

 

👃「頭寒足熱」呼吸法

【頭寒足熱呼吸(おすすめ)】

1. 鼻から細くゆっくり吸う(4秒)
 空気が鼻腔で冷やされ、脳の温度が下がる。


2. 吐く息を長く(6〜8秒)
 副交感神経が優位になり、体が温まりやすい。


3. 足裏の温かさを意識しながら呼吸
 脳が「下半身の血流増加」を指令しやすくなる。

寝る前に行うと:足が温かい → 頭が静まる → 深く眠れる という流れになります。

 

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 頭を涼しくする方法

おでこ・後頭部を軽く冷やす(冷却ジェル、冷タオル)

※ 冷やしすぎる必要はありません。「ほんの少し冷たい」程度が最適。

 

関連リンク:https://asa2000-cure.com/diary/188765 頭を冷やせ 

 

 

 

 足を温める方法

🔶入浴・足湯を習慣にする


● 38~40℃のぬるめの全身浴(10〜15分)

副交感神経が優位 → 末梢血管が開く → 足が温まりやすい

熱すぎる風呂は逆に冷えを悪化させます。


● 足湯(特に寝る前)

足首の上10cmくらいまで

38~42℃で10分

終わったら保湿+靴下

そのまま布団に入ると“睡眠深度”が上がり、夜間の尿意も減りやすい。

 

● 布団の中に湯たんぽ

 

 

身体を温める衣服

● 靴下の選び方

化繊より ウール・シルク が温かく湿気も逃がす

2枚重ね(シルク → ウール)がもっと効く

締めつけない靴下(血流が悪化するため)


● レッグウォーマーを活用

足首(“首”)を温めると血流が上がりやすい。

冷えにくい人の7~8割が普段から足首を覆っています。


● スリッパの習慣

フローリングの冷えは体温を奪う最大要因。

裸足・薄い靴下 → 足先の温度が一気に下がります。

 

 

🔴 足熱にする足の運動法

 

✅ 足指をよく動かす(“足のグーパー運動”)

1分だけでも足先が一気に温まりやすくなります。

グー:指をぎゅっと丸める

パー:指を大きく開く
これを10〜20回。


✅ 足指のストレッチ・マッサージ

足指を1本ずつ回す

足裏の中央(湧泉ツボ)を押す

これで足先の自律神経が緩み、血管が開きやすくなります。

 

足のグーパー運動/足指のストレッチ・マッサージ

関連リンク:https://asa2000-cure.com/diary/200868



ふくらはぎの軽い運動

ふくらはぎは“第二の心臓”とも呼ばれ、ポンプのように血液を心臓へ戻す役割を担っています。

筋肉は「熱を生む臓器」

特に下半身の筋肉量が落ちると冬の冷えが悪化しがちです。

「運動 → 筋肉増加 → 熱をつくる力が増える」という循環を作ります。

 

🔸基本のふくらはぎポンプ運動(立って行う

最も効果が高く、どこでもできる方法です。

① 足を肩幅に開いて立つ

・背筋を伸ばし、体の軸をまっすぐにする。

② かかとをゆっくり持ち上げる

・つま先立ちになる
・ふくらはぎがギュッと縮むのを感じる

③ かかとをゆっくり下ろす

・床に“ドン”と落とさず、ゆっくりコントロールして下ろす

④ 回数とセット

・15〜20回 × 2~3セット
・朝・昼・夕など1日2〜3回が効果的



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STEP 2の時、少し膝を曲げると腰への負担が減ります。

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🔸座ってできるふくらはぎポンプ運動

デスクワークや乗り物の中でも可能。

① 椅子に浅めに座る

・背筋を伸ばし、足裏は軽く床につける

② つま先を上げる(背屈)

・すねの筋肉が使われ、下肢の血流が上がる

③ つま先を下げる(底屈)

・ふくらはぎが収縮し、血液が上へ送り返される

④ 回数

・20〜30回をゆっくり
・毎時1回行うとむくみ対策に非常に有効



🔸寝てできるポンプ運動(むくみ・就寝前に最適)

脚がだるい日、静脈還流を確保したい時。

① 仰向けで膝を伸ばす

足先をリラックスさせる

② 足首を上下に動かす

・つま先を手前 → つま先を遠くへ
・ふくらはぎのポンプが働く

③ 追加:足首回し

・左右10回ずつ
・下肢の血流促進と足首の可動改善


✔ より効果を高めるポイント

●動作は“ゆっくり・大きく”

速い動きはポンプ効果が弱くなるため、
1秒で上げる → 1秒で下ろす が基本。

●呼吸は止めない

自然呼吸で。
呼吸を止めると血圧が上がりやすい。

●痛みが出るほどはやらない

ふくらはぎが軽く疲れる程度が最適。

●水分補給も大切

血液がドロッとすると流れにくくなるため、
運動前後に一口で良いので水を飲むと効果UP。


✔ 期待できる効果

・足のむくみ解消
・下肢のだるさ、冷え改善
・血圧の安定
・夜間頻尿の軽減(下肢にたまった水分が改善)
・エコノミークラス症候群の予防
・歩行が楽になり疲れにくい脚になる

身体の血流は 足 → 心臓 → 脳 へ向かいます。
足が温まると脳の過血流が下がり、眠りやすくなります。



🔵 体の “冷えやすい生活習慣” を避ける

 

スマホ首を避ける

首の冷え+自律神経の乱れ → 全身の血流低下
→ 足先の冷えに直結

姿勢を整えるだけで足がポカポカになりやすい人も多い。

 

冷たい飲み物・小麦・砂糖をとりすぎない


これらは血流を低下させ、腸を冷やしやすい。
腸が冷えると自律神経が乱れ、足から冷える体質が強化されます。

 


🔴 食べ物で体を内側から温める


🔥 温め食材

  • 生姜
  • ネギ
  • 味噌汁
  • 黒豆
  • ゴボウ
  • ニラ
  • シナモン(少量)



🙅 避けたいもの

  • 冷たい飲料
  • サラダ中心の食事
  • 果物のとりすぎ(体を冷やしやすい)



 総まとめ

🔷 頭を冷やし、足を温めると 自律神経と血流が正常化する

 

🔶 鼻呼吸は「脳の冷却」「下半身の血流促進」の両方に有効

 

🔷東洋医学では「気が上に昇りすぎないようにする」知恵

 

🔶 頭寒足熱は睡眠、ストレス、不安、のぼせ、冷え改善に効果的