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2025-01-15 19:08:00

asa Health Information   体の酸化と病気、その予防法    2025.1月号

日本人の生涯に癌になる確率は、男性は約65.5%(2人に1人)、女性は約51.2%(2人に1人)で、日本人の半数が生涯のうちに一度は癌にかかる可能性があります。

体の酸化は、癌をはじめ様々な病気の温床になります。

酸化とは、物質が酸素と結びつく化学反応のことです。私たちの体も例外ではなく、様々な要因によって酸化が進んでしまいます。私たちの体は、呼吸によって酸素を取り込み、エネルギーを作り出していますが、その過程で活性酸素と呼ばれる物質が発生します。この活性酸素が過剰になると、細胞を傷つけ、様々な病気の原因となります。この酸化が進むことを「酸化ストレス」といい、これが過剰になると、体内に悪影響を及ぼすことが知られています。

酸化を促進させる原因

  • ストレス:ストレスは活性酸素の発生を促し、酸化を加速させます。
  • 不規則な生活:睡眠不足、不規則な食事、飲酒、喫煙は、体のリズムを崩し、酸化を促進する可能性があります。
  • 食生活:肉を多く摂取する、塩分を過剰に摂取する、加工食品に含まれる添加物や酸化しやすい油脂が、酸化を促進する可能性があります。
  • 環境要因:大気汚染物質が体内に取り込まれることで酸化を促進させ、紫外線は皮膚の酸化を促進し、電磁波を恒常的に浴びたり、シェデイングも身体の酸化を促進します。

酸化と病気との関係

  • 活性酸素の増加:pHが低下すると、体内で活性酸素と呼ばれる物質が増えやすくなります。活性酸素は、細胞を酸化させ、老化を促進したり、様々な病気の原因になります。
  • 免疫力の低下:酸性化した体は、免疫力が低下しやすくなります。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなったり、癌細胞が成長しやすくなったりします。
  • 細胞機能の低下:細胞は一定のpHの範囲内で最も効率的に機能します。pHが大きく変動すると、細胞の働きが阻害され、様々な臓器の機能低下につながる可能性があります。

酸化と癌との関係 

活性酸素がDNAを傷つけることで、細胞がガン化してしまうことがあります。

 <酸化が癌を引き起こすメカニズム>

  • DNA損傷:活性酸素は、細胞の設計図であるDNAを傷つけます。このDNAの損傷が修復されないまま、細胞が分裂を繰り返すと、がん細胞へと変異する可能性が高まります。
  • 細胞の老化:活性酸素は、細胞の老化を促進します。老化した細胞は、正常な細胞と比べてガン化しやすい性質を持っています。
  •  免疫機能の低下:活性酸素は、免疫細胞の働きを抑制し、免疫力を低下させます。免疫力が低下すると、がん細胞を攻撃することができなくなり、ガンが成長しやすくなります。

体とpHの関係とは

私たちの体は、様々な化学反応によって生命活動を維持しています。これらの化学反応は、pHによって大きく影響を受けます。例えば、酵素と呼ばれるタンパク質は特定のpHで最も活発に働き、pHバランスが崩れると、酵素の働きが低下し代謝が滞り、慢性的な疲労感や倦怠感を感じやすくなったり、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなる可能性があります。

pHは、水溶液の酸性度を示す尺度のことで、7を中性とし、7より小さいと酸性、7より大きいとアルカリ性となります。

血液のpHは、7.35~7.45の範囲が正常とされ、わずかにアルカリ性の状態です。この範囲を逸脱すると、様々な臓器の機能に障害が起こり、生命を脅かすこともあります

細胞内のpHは、細胞の種類や状態によって異なりますが、一般的にはややアルカリ性の環境が保たれています。これは細胞内の様々な生化学反応が最適に働くための条件です。

pHのバランスが崩れると?

病気や生活習慣などによってpHバランスが崩れると、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • アシドーシス(acidosis):血液が酸性側に傾く状態。呼吸困難、意識混濁、昏睡などの症状が現れることがあります。
  • アルカローシス(alkalosis):血液がアルカリ性側に傾く状態。めまい、吐き気、筋肉のけいれんなどの症状が現れることがあります。

人間の体のpH調整を担う臓器

人間の体は、肺、腎臓、肝臓といった様々な臓器が連携して、pHバランスを常に一定に保とうとして、様々な生命活動を円滑に行っています。

<肺の役割>

二酸化炭素の排出:細胞は活動によって生じる二酸化炭素は、血液中に溶け込むと酸性を強めます。肺は、呼吸によってこの二酸化炭素を体外に排出することで、血液のpHを調整しています。

<腎臓の役割>

腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分を尿として排出するだけでなく、体内のpHバランスを調整する重要な役割を担っています。

  • 酸の排出:腎臓は、体内で発生した酸を尿中に排出することで、血液のpHを上昇させます。
  • 重炭酸イオンの再吸収:血液中の重炭酸イオンを再吸収することで、血液のpHを上昇させます。

<肝臓の役割>

肝臓は、体内で生成された酸を中和したり、アルカリ性の物質を生成したりすることで、血液のpHを調整する働きがあります。

pHバランスを保つために

酸化を防ぐためにバランスの取れた食事、規則正しい生活、ストレスの軽減、適度な運動などを心がけることが大切です。

 

酸化を予防し健康な体を作るポイント

1.食生活(pHバランスを保ち、酸化を予防する食生活を心がける)

<酸性食品とのバランス>

酸性食品も体には必要ですが、過剰摂取は避け、アルカリ性食品とバランス良く摂ることが大切です。

肉、魚、卵、乳製品などは、酸性食品です。

加工食品には、添加物が多く含まれており、体内のpHバランスを崩す可能性があります。

 

<酸性食品>(ほどほどに)

肉類

牛肉、豚肉、鶏肉

魚介類

エビ、イカ

飲料

炭酸水、紅茶、コーヒー、日本酒、ウイスキー、スポーツドリンク

乳製品

牛乳、ヨーグルト、チーズ

豆類

レンズ豆

パン、穀物

精製パン、白米、パスタ、餅

加工食品、電子レンジ調理、農薬(野菜表面の農薬洗浄は、小さじ1の重曹を入れた水に30秒~1分程度つける)

 

<pH7.0~やや酸性食品>(常食にすると良い食品)

玄米、胚芽、ライ麦、魚、海の幸、卵、ココアなど (タンパク中心)

 

<アルカリ性食品>(積極的に摂る)

野菜、キノコ類、果物、海藻類は、一般的にアルカリ性食品です。

特に緑葉野菜、柑橘類、海藻類は、ミネラルが豊富で、体内のpHバランスを整える効果が期待できます。

野菜:レタス、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、キャベツ、トマト、キュウリ、ナス、セロリ、トウモロコシ、きのこ、大根、ピーマン

豆類:大豆

大豆は、たんぱく質やカルシウムが豊富で、体内で燃焼すると酸性の物質を生成するものの、その生成量よりもアルカリ性のミネラルを多く含んでいるため、全体としてアルカリ性食品。

芋類:サツマイモ

パーフェクトフードとも言われ、ビタミンA、C、Eなどのビタミン類や、カリウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。食物繊維も豊富なので、腸内環境を整える効果も期待できます。

レンコン

果物:バナナ、リンゴ、オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、キウイ、スイカ、ライム、レモン、ブルーベリー、ミカン、ブドウ

海藻類:わかめ、昆布、ひじき

その他:梅干、こんにゃく、酢、ワイン

 

 2.呼吸

<呼吸と酸化の関係>

 酸化と呼吸は、一見異なる概念のように思えますが、実は密接な関係があります。私たちの生命活動の根底を支えているのは、まさにこの呼吸による酸化反応です。

体は、呼吸によって取り入れた酸素を使ってエネルギーを作り出しています。このエネルギー産生の過程で、活性酸素という物質が発生します。活性酸素は、ある程度の量は体にとって必要ですが、過剰になると細胞を傷つけ、老化や様々な病気の原因になると考えられています。=体の酸化、劣化の促進。

 <呼吸が浅い場合>

呼吸が浅いと、十分な酸素が体内に取り込まれません。そのため、細胞はエネルギー不足になり、効率の悪い状態で活動することになります。結果として、活性酸素が過剰に生成されやすくなり、体の酸化が促進されてしまいます。

ポイント:浅い呼吸は体内に活性酸素が蓄積し、酸化が進んでしまう。

<深い呼吸が体の酸化を予防する理由>

  • 酸素の摂取量が増える: 深い呼吸によって、肺に多くの空気が入り、より多くの酸素を体内に取り込むことができます。これにより、細胞は十分な酸素を得て、効率よくエネルギーを作り出すことができるようになります。
  • 二酸化炭素の排出が促進される: 深い呼吸は、体内に溜まった二酸化炭素を効率よく排出する効果があります。二酸化炭素は、血液を酸性に傾け、酸化を促進させるため、これを排出することで酸化を抑制する効果が期待できます。
  • 自律神経のバランスが整う: 深い呼吸は、副交感神経を刺激し、リラックス効果をもたらします。自律神経のバランスが整うことで、体の機能が安定し、酸化ストレスに対する抵抗力も高まります。

 ポイント:深い呼吸は、酸素の摂取量を増やし、二酸化炭素の排出を促進し、自律神経のバランスを整えることで、酸化を予防する効果がある。

 <酸化を予防する呼吸法>

「丹田呼吸法」

丹田呼吸法は、単に呼吸をするだけでなく、体全体のバランスを整え、自己治癒力を高める効果が期待できるため、酸化を予防し、健康維持に役立ちます。

<丹田呼吸法が酸化を予防し健康に良い理由>

  • 細胞への酸素供給量が増え、エネルギー生成を効率化する

丹田呼吸法は、お腹を意識した深い呼吸を行うため、肺の隅々まで空気が行き渡り、細胞に十分な酸素が供給されます。

十分な酸素があることで、細胞内のミトコンドリアでのエネルギー生成が効率化し、活性酸素の発生を抑えることができます。

  • 二酸化炭素の排出促進

深い呼吸によって二酸化炭素が効率よく排出されると、血液が酸性化しにくくなります。血液が酸性になると、体内の酸化が進みやすいため、この作用は酸化防止に繋がります。

  • 自律神経のバランス調整

丹田呼吸法は、副交感神経を刺激し、リラックス効果をもたらします。副交感神経が優位になると、心身がリラックスし、ストレスが軽減されます。ストレスは活性酸素の発生を促すため、ストレスの軽減は酸化防止に繋がります。

  • 内臓機能の活性化

丹田は、多くの経絡が交わる重要なツボです。丹田呼吸法によって、内臓がマッサージされるような効果があり、内臓機能の活性化が期待できます。内臓機能が活性化すると、体全体の代謝が向上し、老廃物の排出がスムーズになり、酸化を防ぐ効果が期待できます。

  • 気の巡りが良くなる

丹田呼吸法は、気の流れを意識することで、体内のエネルギーの流れをスムーズにする効果があります。気の巡りがよくなると、体全体のバランスが整い、自己治癒力が向上し、酸化ストレスに対する抵抗力も高まります。

 

丹田呼吸法.jpg

 

自律神経を安定させる呼吸法:関連リンク

春の長雨と気象病対策 自律神経を安定させる方法

 

3.腎臓を温める

東洋医学では塩は、五行説において「鹹味」という味に分類され、腎と深い関係があるとされています。

塩は、腎の機能を補い、腎精を滋養する働きがあるとされています。特に、海塩はミネラルが豊富で、腎の働きを助ける効果が期待できます。

 <岩塩を温め腎臓にあてる>

岩塩プレート(ネットで購入可)2枚をオーブン(電子レンジ不可)で3~4分ほど温め、タオルなどに包み、仰向けに寝ながら腎臓に20~30分ほどあて、腎の機能を補い、腎精を滋養させます。腎機能が活性化することで、体内のpHバランスを調整する機能も高まり、酸化を予防し、体内のデトックスにも大変な効果があります。

 

岩塩プレート(背中側にあてる)

KIMG5605.JPG

 

 

腎臓の位置(背中側)

腎臓は腰より少し上に位置しており、下部肋骨の辺り

腎臓1.jpg