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真実を観る眼力 87 「意識が現実を創る」という考えの構造 18 中心・中庸(ゼロポジション)を整える③...「ゼロポジションに戻り続ける」体現法
ゼロポジションで生きるとは、
『静』静寂、
『中』中心.ゼロポジション.中庸、
『整』肉体で体現にして生きる、
そしてとても大切な点は、
それを「実現しようとする」のではなく、
そう“なってしまう”というところです。
整理してみます。
ゼロポジションで生きる、とは何か
① 静寂
- 思考を止めることではない
- 感情を消すことでもない
- 中心から外れていないため、波立たない状態
👉 静寂は「つくるもの」ではなく、身体が中心に戻り続けた結果として現れる
② 中心・ゼロポジション・中庸
- どちらにも寄らない
- 正解を選ばない
- 先回りしない
👉 反応の手前に留まる位置
ここにいると、
- 物事が「起きてから」対応できる
- 無理な判断が減る
- 人間関係で自分を失わない
③ 整(肉体で体現する)
💡ここが最重要です。
理解・思想・悟りではなく
姿勢・呼吸・重心・動作として現れる。
立ち方が変わる
歩き方が変わる
物の持ち方が変わる
言葉の出方が変わる
👉 肉体が先、意識は後💡
『日常動作』
その結果、何が起きるか
❌ 目指してはいけないもの
- 常に穏やかでいよう
- ブレない自分になろう
- 理想の在り方を保とう
これらはすべてゼロポジションから外れる行為
⭕ 自然に起きる現実
- 無理な縁が離れる
- 必要なことだけ残る
- 疲労が溜まりにくい
- 判断が早いのに後悔しない
👉 調和的で平安な現実は「副産物」
1.日常動作で「ゼロポジションに戻り続ける」体現法
① 車の運転でのゼロポジション
(ポイント)
運転は「操作」ではなく
空間の中で中心に居続ける行為に変えられます。
(実践)
ハンドルを握る前に
✅ 吐く → みぞおち奥を空ける
✅ 背中をシートに預けきる
✅腕でハンドルを操作しない
→ 体幹の微細な重心移動に手が付いてくる
(サイン)
■ 無駄なブレーキ・アクセルが減る
■ イライラが起きにくい
■ 周囲の流れが「読める」
👉 ゼロポジションの運転=反応しないが、遅れない
② 寝る・休むでのゼロポジション
(寝る前ワーク 2分)
1. 仰向け
2. 吐く息を3回
3. みぞおち奥 → 背中 → ベッドに溶ける
4. 眠ろうとしない
(ポイント)
✔ 寝る=意識を落とす → ❌
✔ 寝る=中心に戻ったまま委ねる → ⭕
👉 深い睡眠は「努力しない中心」から起きる
③ 仕事・作業でのゼロポジション
(開始前)
✔ PCを触る前に一呼吸
✔ 判断を急がない
(作業中)
✅ 手先でやらない
✅思考が走ったら
→ 即、身体に戻る
(終了時)
✔「終わらせよう」としない
✔一度ゼロへ戻ってから席を立つ
👉 仕事の質が上がるのではなく
「消耗が減る」
2.日常動作の「ゼロポジション」を体現する『動作』のヒント
ゼロポイントを軸に日常動作を行うポイントとして、
- 動作前後にゼロ、中心、中庸に戻る、
- 動作中は身体軸から自然と四肢を連動させて止めない、
通常、私たちは日常動作において手足や四肢で動作(操作)しているので、例えば、身体軸や体幹を意識、活用しての身体動作がおろそかになっています。
つまり、これは末端での操作(小手先の操作)が優勢となっているため、身体軸・体幹(中心)が抜けて、内(意識・心)・外(身体)ともに、『中心・中庸・ゼロポジション』から外れてしまいます。
1997年、オーストラリアのホッジス(Hodges)らの研究によると、「Early activity (早期活動)」といい、
「四肢」の動きは主に「体幹筋」が先行して筋活動が起こり、その後に「四肢」が働くことがわかってます。これは、効率的な動作のポイントとして、四肢を先行させて動作するより、「体幹」を意識して動作を起こす方が、「四肢」を動かすというより、自然と「四肢」が反射的に使われ、効率的な身体動作になることをしめしています。
関連リンク:https://mountain-top.jugem.jp/?eid=856 山体を支えるtraining法 2 理論編
この研究は、『ゼロポジションの体現』と運動科学、神経制御の3点すべてで一致していることを科学的に裏付けています。
① ホッジスらの研究と「ゼロポジション」は同じ現象を別の言語で見ている
(ホッジス(Hodges)の示した事実)
四肢を動かす前に
腹横筋・多裂筋・骨盤底筋など深層体幹筋が先行収縮する
👉 これは「意識的」ではなく予測制御(anticipatory postural adjustment)
つまり身体は本来、
中心(体幹)が先に整い、
その上で四肢が自然に動く
ように設計されています。
これはまさに、
ゼロポジション → 動作 → ゼロポジションに還る
という流れと同一です。
② 四肢主導の動作が非効率になる理由
(四肢から動かそうとすると、何が起きるか)
- 体幹が後追いになる
- 無意識にブレーキ筋が働く
- 余計な緊張が入る
- 動作が「部分最適」になる
結果として、
■ 疲れやすい
■ 微調整が多い
■ ケガ・慢性痛につながる
■ 判断も遅くなる(神経負荷が高い)
これはゼロポジションを外れた動作です。
③ 「丹田に意識を置く」とは体幹筋を意識するのと同義
「丹田に意識を置く」とは力を入れることではありません。
正確には、
✔ みぞおちも持ち上げない
✔ 下腹を固めない
✔ 呼吸を止めない
✔ 骨盤底が自然に張力を持つ
👉 腹腔内圧が“均等”に整う状態
これが起きると、
✅ 腹横筋が先行
✅ 脊柱が安定
✅ 四肢が反射的に動く
つまり、「四肢を使う」のではなく
👉「中心が動き、四肢がついてくる」
『動作中は丹田に意識をおき四肢は自然に連動』
④ ゼロポジションからの効率的動作の3原則
原則ⅰ 動作前:ゼロに還る
- 呼吸が自然
- 体重が左右均等
- 頭が上に引かれ、足裏が地面に溶ける
👉 ここで“何もしない”
原則ⅱ 動作中:止めない・分断しない
- 体幹の軸から動きが始まる
- 四肢を「動かそう」としない
- 途中で評価しない
👉 動き続ける=コヒーレンスが保たれる
原則ⅲ 動作後:必ずゼロに戻る
- 余分な力を抜く
- 呼吸を一呼吸だけ観る
- 立位・座位で中心に戻る
👉 これが神経系のリセット
3. 「意識で動かす」と「反射で動く」の違い
| 意識主導 | ゼロポジション主導 |
| 四肢から動かす | 体幹から始まる |
| 判断が介入 | 反射が働く |
| 疲労が残る | 疲労が抜ける |
| 再現性が低い | 再現性が高い |
これはスポーツだけでなく、
歩行
車の運転
掃除
仕事の手作業
対人動作
すべてに共通します。
4. ゼロポジションとは「最も神経が賢く働く場所」
重要なのは、
ゼロポジションは
力の位置ではなく、
『神経の位置』
ということです。
ゼロポジションにいるとき
✅ 判断が速い
✅ 反応が正確
✅ 無駄がない
✅ 後悔が残らない
これは
身体・意識・行動が同一の中心から起きている状態。
5. 『ゼロポジションの体現』流れ
動作前:みぞおち奥(マニプーラチャクラ、横隔膜)の静かさを一瞬感じる
(意識=流す)
✅横隔膜がゆるむ、
✅腹腔神経叢が静まる
⬇
動作中:丹田に重心
(意識=置く)
✅ 体幹筋(腹横筋・多裂筋・骨盤底筋など深層体幹筋)が先行収縮
✅ 四肢が自然に連動する
⬇
動作後:みぞおち奥(マニプーラチャクラ、横隔膜)に戻る
(意識=流す)
✅ ゼロポジションに還る
✅ 行動と意識が一致する
6. まとめ(核心)
ゼロポジションからの動作とは、
体幹(丹田)が世界に先に応答し、
四肢がそれに従って自然に現れる現象です。
ホッジスらの研究はこれを「筋活動」で説明し、
ゼロポジションの体現とは、
両者は同じ真実を違う角度から見ているだけです。





