Health and self-therapy information

2025-10-01 18:20:00

asa Health Information 2025. 10月号 秋に起こりやすい身心の乱れと対処

秋の始まりや季節の変わり目に、体調不良や気分の落ち込み、精神状態の不安定さを訴える人が増える傾向ですが、これは多くの要因が重なって起こると考えられています。

🌿主な原因と背景

1. 日照時間の変化

秋になると日が短くなり、太陽光を浴びる時間が減ります。

太陽光は脳内の セロトニン(気分を安定させる神経伝達物質) を活性化させる大事な要素。

減少すると気分の落ち込みや意欲低下につながります。

2. 体温調整・自律神経の乱れ

朝晩の寒暖差が大きくなり、自律神経(交感神経と副交感神経)の切り替えがスムーズにいかなくなります。

その結果、倦怠感、頭痛、めまい、不眠などの不調や、精神的不安定さが出やすくなります。

3. ホルモンの影響

日照不足により メラトニン(睡眠ホルモン) の分泌リズムが乱れ、睡眠の質が落ちやすい。

睡眠不足は気分変調やうつ状態を悪化させます。

4. 生活リズムの変化

夏の活動的なリズムから、秋は急に静的・内向的な過ごし方に切り替わりがち。

「やる気が出ない」「孤独感が増す」など心理的影響が強まります。

5. 心理的要因

秋は「行事・仕事の繁忙期の始まり」「夏が終わる寂しさ」など、感情的な影響も受けやすい時期です。

 

🌞 対策のヒント

  • 朝の光を浴びる(散歩・窓辺での深呼吸)👉 セロトニンの分泌も活性化され精神的にも安定します。

 

  • 軽い運動で自律神経を整える(ヨガ・ストレッチ・ウォーキング)👉 交感神経と副交感神経のバランスが整いやすくなります。

 

  • 季節の食材で栄養をバランスよく(サンマ、きのこ類、根菜、ナッツなどはセロトニン合成にも役立つ)

 

  • 睡眠のリズムを崩さない(特に起床時間を一定にする)👉 メラトニンの分泌を安定化させます。

 

  • 気持ちの落ち込みが強ければ、早めに専門家に相談 👉 うつ病などにならないように予防します。

 

 

✨ まとめ

秋の始まりの体調不良や精神の不安定さは、日照の減少による脳内物質の変化、自律神経の乱れ、生活リズムの移行が重なって起きるもの、と考えられます。 

 

🍂 東洋医学(中医学)の視点から秋に起こりやすい身心の乱れと体質別対処


💠 秋に特徴的な乱れ

  • 五行で秋は「肺」と「大腸」 に関連

 

  • 外界の「燥邪(乾燥の邪気)」の影響を受けやすい


💠 症状:

  • 咳、喉の乾燥、皮膚のかさつき、便秘、憂うつ感、悲しみ

 

(心理面)

  • 秋は「悲(かなしい)」の感情に結びつくとされ、孤独感や寂しさが強く出やすい。


💠 中医学的対処

  • 潤いを与える食材(梨、百合根、白きくらげ、蜂蜜、大根など)

 

  • 深い呼吸や呼吸法(肺を養う)

 

  • 適度な発汗運動(過剰な汗は禁物)

 

  • 生活リズムを安定させ、早寝早起き

 

✨ まとめ

中医学:秋は「肺・大腸」と「乾燥・悲しみ」の季節 → 潤いを養い、悲を和らげる生活を。

 

晩秋から初冬へ 雨飾山

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🌿 東洋医学の視点で秋に乱れる「肺」・「大腸」経脈と西洋医学の免疫との関係性

五行では「肺・大腸」は 表裏関係 にあり、共に「気」「防衛(衛気)」に関わるとされます。

肺は「気を主る」臓器であり、外界からの邪気を防ぐバリア(免疫力)を調整。

大腸は不要なものを排泄する機能で、体内の浄化と免疫バランスに関わる。

よって、肺・大腸の不調 → 皮膚の弱まり、風邪をひきやすい、便秘・下痢といった免疫低下が起きやすい、と説明されます。

 

🔬 西洋医学の視点との対応

   ✅  [西] 呼吸器系(肺)⏩ [東]『肺経脈』

 

  • 外から侵入する病原体(ウイルス、細菌、花粉など)に最初に接触する場所。

 

  • 気道粘膜の線毛運動や分泌される免疫物質(IgA抗体など)が、異物をブロック。



  ✅  [西] 消化器系(大腸)⏩ [東] 『大腸経脈』

 

  • 腸には 免疫細胞の約7割 が集まるとされ、腸内細菌叢とともに免疫系をコントロール。

 

  • 腸のバリア機能が低下すると、全身の免疫異常や炎症を引き起こす。

 


🌱 まとめ

肺・大腸系が免疫と強く結びつくのは、

呼吸器系による外界防御(肺)

消化器系による内界防御(大腸)


この両方が「外からの侵入を防ぐ」「内側を守る」二重の免疫ラインになっているためです。

 

 

🌿 アーユルヴェーダ(ドーシャ理論)の視点から秋に起こりやすい身心の乱れと体質別対処

 

ドーシャの体質と特徴と起こりやすい疾患

ドーシャ体質   体の特徴 ドーシャ過剰による症状    起こりやすい疾患
ヴァータ体質

俊敏・活発     

すばやく軽快

傷の治りが速い

便秘、寒がり、

腹部膨満、痛み、

不眠、皮膚の乾燥

下半身異常(坐骨神経痛、腰痛、冷え性、大腸疾患)

神経疾患(頭痛、脳卒中、パーキンソン病)

循環器疾患(狭心症、高血圧、心筋梗塞)

ピッタ体質

快食、快便

体が軟らかい

皮膚が輝く

皮膚発疹、出血しやすい

胸やけ、灼熱感

目の充血、下痢

胃・十二指腸疾患、心疾患

肝臓・胆嚢・膵臓疾患

アルコール依存症、皮膚病

カパ体質

体力・持久力がある

体格がよい

よく眠れる

だるさ、眠気、

口内が甘い、痰が多い、

鼻水・鼻づまり

気管支疾患、喘息、鼻炎

糖尿病、関節炎、腫瘤性疾患

 

ドーシャと季節の関係

ドーシャ 季節
ヴァータ 晩秋~初冬
ピッタ 夏~秋
カパ 冬~春

 


💠 秋に特徴的な乱れ

    • 秋は特に ヴァータ(風・空のエネルギー) が乱れやすい季節とされます。

     

    • 乾燥・冷え・風の性質が強まり、心身を不安定にします。

     

    💠 ドーシャ別の症状と対処

     

    1. ヴァータ体質

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     傾向:乾燥肌、冷え、便秘、不眠、不安や落ち込みが強まりやすい


     

      秋の乱れ:乾燥・冷えで最も影響を受けるタイプ

     

     

      対処:

    • 温かいオイルマッサージ(ごま油)

     

    • 温かく消化しやすい食事(スープ、煮込み料理)

     

    • 生活リズムを規則正しく

     

    • ゆったりした呼吸法や瞑想

     


    2. ピッタ体質

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      傾向:情熱的、消化力が強い、怒りやすい



     秋の乱れ:夏の熱が残って、秋に皮膚トラブル・イライラ・胃腸不調が出やすい

       

      対処

    • 涼性・甘味・苦味の食材(梨、きゅうり、アロエ、ゴーヤ)

     

    • 穏やかな散歩や月光浴

     

    • 辛味・アルコール・過労を避ける

     

     

    3. カパ体質

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      傾向:安定感、粘性、体力があるが重だるさや停滞傾向



      秋の乱れ:乾燥の影響は少ないが、湿気が残ると痰・鼻水・だるさが出る



      対処

    •  軽い運動で代謝を上げる(ウォーキング、ヨガ)

     

    •  香辛料や温性の食材(生姜、シナモン、黒胡椒)

     

    •  油分・甘味・冷たいものを控える

     

     

    まとめ

    アーユルヴェーダ:秋は ヴァータ増悪 → 温かさ、安定、潤いを意識。

    体質別ケア:

    ヴァータ → 温め・潤す・規則正しい生活

    ピッタ → クールダウン・怒りを鎮める

    カパ → 活動性を保ち停滞を防ぐ

     

    初秋の涸沢カール