Health and self-therapy information

2025-07-30 00:32:00

真実を観る「眼力」53 多視点と意識の拡張による現象の創造 「アーユルヴェーダの考え方」 ② 

意識に偏りが生じる原因や心理的要因、そしてそれが視野や視点に与える影響と、また、意識の偏りがどのように内面の閉塞感や洗脳のリスクを高めるかについて。

 

💠意識に偏りが生じる要因

1. 経験と背景:

• 個人の過去の経験や文化的背景は、物事の捉え方に大きな影響を与えます。

特定の経験が強く印象に残る⇒それに基づいて物事を判断する傾向が強まる

2. 感情:

• 感情は思考に強く影響します。

ストレスや不安、恐れなどのネガティブな感情⇒ポジティブな情報を無視したり、逆にネガティブな情報に過剰に反応したりすることがある

3. 確認バイアス:

• 自分の信念や意見を支持する情報を優先的に探す⇒反対の情報を無視する傾向⇒特定の視点に固執しやすくなる

4. 社会的影響:

• 周囲の人々やメディアからの影響⇒特定の意見や価値観が広まる⇒それに同調することで自分の意識が偏る(同調圧力による意識の偏向含む)

 

💠 意識の偏りが及ぼす影響

1. 視野の狭まり:

• 意識が偏る⇒特定の情報や視点にしか目が向かなくなる⇒他の可能性や選択肢を見逃す⇒これにより、問題解決や意思決定の質が低下

例: ある人が特定の政治的立場を強く支持している場合、その人は反対意見を持つ人々の意見を無視したり、否定的に捉えたりすることが多くなります。その結果、異なる視点を理解する機会を失い、偏った判断をすることになります。

2. 内面の閉塞感:

• 自分の意識が狭まる⇒選択肢が限られていると感じる⇒内面的な閉塞感を抱く⇒この感覚が、自己効力感の低下や不安感を引き起こす

例: 職場での人間関係が悪化し、特定の同僚との関係にのみ焦点を当てている場合、他の同僚との関係を築く機会を逃し、孤立感を感じることがあります。このような状況では、職場環境全体が悪化しているにもかかわらず、その特定の関係にのみ意識が向いてしまいます。

3. 洗脳や騙されやすさ:

• 意識が偏る⇒特定の情報やメッセージに対して過剰に反応⇒批判的に考える能力が低下⇒誤った情報や洗脳に対して脆弱になる

例: 特定の宗教団体やカルトに引き込まれる人々は、しばしばその団体の教えに強く共鳴し、外部の批判や異なる意見を拒絶します。このような状況では、団体のリーダーが提供する情報が唯一の真実とされ、他の視点が排除されるため、洗脳されやすくなります。

 

【consciousness】

 

🔶「多視点的な判断力・客観視・善悪を俯瞰する力」についてのアーユルヴェーダの智慧

アーユルヴェーダ的理解では、視点・思考・判断などの偏りは、生まれ持ったドーシャ、乱れた心(マナス)と理性(バウディ)、過去の記憶(サンスカーラ)に影響されるという考えかたをします。

 

1. 体質(プラクリティ)と偏り
人の視点や思考パターンは、3つのドーシャ、「ヴァータ」・「ピッタ」・「カパ」によって大きく影響されます。

アーユルヴェーダにおける「ドーシャ」は、体質や性格を理解するための基本的な概念で、それぞれのドーシャには、身体的および心理的な特徴がありますが、これらの特徴を理解することで、個々の健康や心のバランスを考えることができます。

まず、あなたの生まれ持った体質(プラクリティ)は、どのドーシャなのかを下図から探してください。

 

● あなたの体質は? (What is your constitution?)

ドーシャ 身体的特徴 心理的特徴 判断の傾向 偏りの特徴
ヴァータ(Vata)

• 体型:

細身で軽やか、骨格が細い

• 肌:

乾燥しやすく、冷たい

• 消化:

不規則で、消化力が弱い

• 動き:

活発で、動きが速い

• 性格:

創造的で、柔軟性があるが、気分が変わりやすい

• 思考:

直感的で、アイデアが豊富だが、集中力が欠けることがある

• 感情:

不安や恐れを感じやすい

直感的

想像力豊か       

不安

混乱

先走った判断

ピッタ(Pitta)

• 体型:

中程度の体型、筋肉質でしっかりしている

• 肌:

温かく、オイリーで、色が赤みがかっている

• 消化:

消化力が強く、食欲が旺盛

• 動き:

活発で、エネルギッシュ

• 性格:

知的で、決断力があり、リーダーシップを発揮する

• 思考:

分析的で、論理的だが、短気になりやすい

• 感情:

怒りや嫉妬を感じやすい

分析的

鋭い論理        

批判的

怒り

正義感の暴走

カパ(Kapha)

• 体型:

がっしりとした体型、重くて安定している

• 肌:

滑らかで、しっとりしている

• 消化:

消化力が遅く、食欲が安定している

• 動き:

ゆっくりで、穏やか

• 性格:

忍耐強く、穏やかで、親切

• 思考:

安定していて、持続力があるが、変化を嫌うことがある

• 感情:

落ち着いているが、執着や怠惰を感じやすい

安定

寛容   

執着

頑固・変化への抵抗

 

 

🌿 ドーシャ別「視点の偏り」と「整え方」マップ

ドーシャ 視点の偏り(思考傾向・判断癖) 感情・反応の傾向

整え方

(心・体・行動の調整)

🌀 ヴァータ(風・空) 不安定な視点(気分や思いつきで判断)・未来に意識が飛びがち・早とちり、結論を急ぐ   不安、恐れ、焦り・思考過多、空想に逃避

✅ グラウンディング(大地に触れる)

✅ 規則正しい生活リズム

✅ 温かく油分のある食事(スープ、ギー)

✅ 深い呼吸・瞑想で静けさを取り戻す

🔥 ピッタ(火・水) 正誤や善悪の線引きが鋭すぎる・批判的、攻撃的な視点になりやすい・「こうあるべき」にこだわる 怒り、苛立ち、完璧主義・他人や自分を責める

✅ 冷却と緩和(自然・水辺・月の光)

✅ 涼性のある食事(ココナッツ、ミント)

✅ 「ゆるす」「手放す」瞑想

✅ 競争・評価から離れる時間をもつ

🌱 カパ

(土・水)

過去の視点に執着しやすい・変化を避け、現状を固守・「自分はこういう人間だから」と固定化 倦怠感、落ち込み、頑固さ・行動の停滞 

✅ 刺激と動き(運動、旅、交流)

✅ 軽めで温かい食事(スパイス・豆類)

✅ 朝の早起き・朝日を浴びる

✅ 小さな変化を歓迎する習慣をつける

 

2.マナス(心)とバウディ(理性)による偏り

【マナス(心)】が汚れる原因:

 

ラジャス(激性):怒り・欲・焦り・過剰な刺激

タマス(惰性):無知・怠惰・重さ・逃避



→ これにより理性(バウディ)が曇り、正しく善悪を識別できなくなる状態を「プラグニャ・アパラーダ(理性の誤作動)」と呼びます。

 

🔶 多視点を養い、理性を清めるアーユルヴェーダ的心がけ

 ● どう清める?  サットヴィックな生活、瞑想、食事、良き対話、自然との調和。

 

心がけ  解説
サットヴァ(純性)を育む 心を澄ませ、直観と理性を調和させるために、静寂、瞑想、自然との調和を大切にする
アハーラ(食事)を清める 軽く、消化しやすい、サットヴィック(純粋性)の食事を心がける
スヴァディヤーヤ(自己学習) 良書などを読んだり、芸術に触れたりして思考を深める
サットサンガ(善き仲間) 思慮深く、徳のある人々と関わり、視点を広げる
瞑想とプラーナーヤーマ(呼吸法)   

思考の静寂化と感情の統合

特に「ナディ・ショーダナ(片鼻呼吸)」が有効

 

 片鼻呼吸法(ナーディ・シュッディー)

★片鼻呼吸の手順
【手順1】アグラ(蓮華座)で座り、舌の先を上あごにつける
【手順2】口を軽くあけた状態で、両鼻から息を深く吸い、深く吐く(3〜4回繰り返す)
【手順3】目を閉じる
【手順4】右手親指で右小鼻を押さえて左小鼻から息を吸う(4秒)
【手順5】右手親指で右小鼻を押さえたまま、右手薬指と小指で左小鼻を押さえて息を止める(16秒)
【手順6】右手親指を開放して、右小鼻から息を吐く(8秒)
【手順7】吐ききったら、右小鼻から息を吸う(4秒)
【手順8】右手親指で右小鼻を押さえて息を止める(16秒)
【手順9】右手薬指と小指を解放して、左鼻から息を吐く(8秒)
【手順10】吐ききったら、左小鼻から息を吸う(4秒)
【手順11】手順3〜10を何度か繰り返す
【手順12】最後は、手順2と同様の行為で終える

 

 

🔶 まとめ

意識の偏りをなくして、

正しい判断をするためには、

外の情報を増やすよりも、

内の静けさと透明さを深める、

アーユルヴェーダでは「正邪を見極める力」は、体と心の清澄さ(サットヴァ)に根ざしていると考えま

 

『白馬岳』 静寂・清明

白馬.jpg